ビジネスに留まらず誰もが日常生活の中で利用している「メール」は、メールサーバーを通して送受信される仕組みです。会社ではメールサーバーを利用しなければビジネスができず、システム管理者は正しい仕組みの理解と効果的なサービスの利用を求められています。
本記事では、メールサーバーの概要から法人向けにおすすめの選び方をご紹介します。
そもそもメールサーバーの種類は、大きく以下の2つに分けられます。
それぞれの特徴について解説します。
オンプレミスとは、企業で利用しているサーバー機器などを自社で導入・保有し運用することを指します。
費用面では初期投資が大きいのが特徴です。ただし、最適なサーバーの使用容量や長期間の利用をする場合は、コストメリットがある場合があります。
利用するサーバーや機器を自由に選択できるメリットもありますが、基本的に全ての運用を自社で行わなければなりません。
クラウドサーバーは、専用のアプリやブラウザからアクセスし、ネットワークを介してメールの送受信ができるサービスのことです。会社のパソコンからだけではなく、自分のパソコンやスマホからもアクセスできるため、場所を選ばないメリットがあります。
さらにクラウドの場合は初期費用が必要なく、コストを最小限に抑えることが可能です。
クラウド上にメールデータが保存されており、サーバーのセキュリティリスクに関してはクラウドサービス側で対応してくれるため、安心して利用できます。
メールサーバーの種類を紹介しましたが、オンプレミスにて自社で運用しない場合にはどのような観点でメールサーバーを選べばいいのでしょうか。おすすめの選び方について解説します。
まずは、自社に必要な機能が揃っているか確認しましょう。たとえばモバイル端末で利用するシーンが多い会社では、アプリが用意されていると便利です。メールを確認するたびにブラウザにログインする必要がなく、仕事の生産性が向上するでしょう。
また、メールボックスの最大容量を確認しておくことも大切です。最初はメールサイズの想定ができないこともあるので、徐々に容量を追加できるタイプをおすすめします。
メールサーバーが何らかの原因により落ちてしまうとメールの送受信ができなくなるため、サーバーの稼働率は重要です。高稼働なサーバーを選ぶようにしましょう。
メールサーバーを利用する際には、故障があったときなどに気軽にお問い合わせできるサポート体制が整っていることを確認しましょう。メールは企業活動の生命線となっているため、土日や年末年始など365日24時間対応しているサービスがおすすめです。
ただし、サポート体制が充実しているとその分、費用も高額になりがちです。求めているサポート体制と費用のバランスを考えて利用するようにしましょう。
仕事で利用するメールには、セキュリティ対策が必要不可欠です。メールを活用して重要な情報のやり取りをする場合、他者に情報を盗まれないようにする必要があります。メールサーバーに不正ログインされて情報が取り出されるなんてことがないよう、セキュリティ対策が万全のメールサーバーを選びましょう。
他のシステムとの連携、データ移行などオプションサービスが充実しているかも、メールサーバーを選ぶ上で大事なポイントです。
どのようなオプションサービスがあるかについては事前に確認をするようにしましょう。
ここからは、メールサーバーを利用する際に注意したいポイントについて解説します。
ビジネスで活用することが必須のメールは、他者に盗み見されないようにしなければなりません。SMTPサーバーを利用したメール送信だけでは、文字のみが相手のサーバーに送られます。メール送信プロトコルのSMTPには、通信を暗号化してデータを保護するための仕組みがないためです。
安全にメールを相手に送るためには、SSL/TLSというメール暗号化技術を活用しましょう。SSL/TLSとは、HTTPやFTPなどアプリケーション層のプロトコルと組み合わせることで、暗号化された通信を実現できる仕組みのことです。
メールサーバーを設定する時には、自社に合ったメールサーバーを選ぶようにしましょう。メールをあまり使わない会社では、高額でセキュリティがしっかりしたメールサーバーはマッチしません。また、利用できる容量を確保するのにも費用はかかりますので、自社の活用頻度とのバランスを取った上でメールサーバーを選ぶようにしましょう。
今回は法人向けにメールサーバーの概要から選び方までを解説してきました。
新しい働き方にチャレンジする企業が増え、どこでも仕事ができる環境ではメールサーバーの重要度は増しています。自社に合ったメールサーバーを選び、効率的に活用できるようにしていきましょう。